同一の設備や装置で、多品種の製品を生産するシステムをバッチシステムと呼び、その制御形態をバッチプロセス制御、あるいはバッチ制御と呼びます。

 バッチシステムで生産される製品(例:ジュース等)は移り変わりが激しいため、その都度設備やプロセスの改造が必要となります。既存設備が有効利用できれば合理的な増設・改造が可能となりますが、メーカーにより制御システム仕様書が異なる、既存のアプリケーションが流用できない等の理由で、設備の更新を余儀なくされるケースがあります。
この他、バッチ制御の雛型が無い、複数メーカーの制御システムを一つにまとめることは困難等、バッチシステムには解決すべき課題がありました。

 このような課題を解決するためにISAで提案され、その後バッチに関する国際標準として制定されたのがISA-S88です。ISA-S88を導入することで、増設・改造時にコスト削減やリードタイム短縮を図ることができる、複数メーカーの制御システム導入時の困難が軽減される等のメリットを得ることができます。

参考文献:「S88入門 バッチシステムをよりよくデザインするために」ジャパンバッチフォーラム